しみず港クルーズ客船タクシー観光推進事業(2025)

令和7年度「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト報告

共創モデル実証運行事業:「クルーズ船寄港時の空白解消とインバウンドタクシー観光のアップデート」実証結果報告

1. 事業概要

清水港における大型客船の寄港増加に伴い、二次交通における二種ドライバー不足や一時的な「交通空白」、ならびに英語対応ドライバーの不足による観光体験の課題が顕在化していました 。 本事業では、タクシー事業者とインバウンド・観光DXパートナーによる共創プラットフォームを構築し、日本版ライドシェア(道路運送法第78条第3号)の活用や多言語対応機能の導入を通じて、輸送資源の最適配置と持続可能な観光交通環境の実現を目指しました 。

事業主体(間接補助事業者) 一般社団法人静岡TaaS
共創スキーム 一般社団法人静岡TaaS、静岡県タクシー協会清水支部、株式会社駿河交通、公益財団法人するが企画観光局、株式会社システムオリジン、株式会社静岡TaaSトラベル、株式会社Otono
実証期間 令和7年7月10日 ~ 令和8年2月9日
対象地域 静岡県静岡市清水区(清水港周辺および周辺観光地)

2. 主な実施事項

① 車載デジタルの整備と動態管理

静岡県静清地区のタクシー12事業者・109台(うち補助対象100台)にGPS搭載車載端末を配備 。乗り場付近にサテライト配車デスクを設置し、車両の稼働・位置情報をリアルタイムに把握する体制を構築しました 。

② 多言語対応ガイド環境の導入

位置情報連動型の多言語ガイドアプリや英語音声ガイド端末(23台配備)を導入 。移動中の観光コンテンツ提供やドライバーの意思疎通を支援しました 。

③ ライドシェアドライバーのガイド化研修

英語対応可能な日本版ライドシェアドライバーを対象に、富士宮や箱根などの定番周遊コースの実地研修・ガイド化プログラム(全8回)を実施しました。

④ 人流・二次交通データの収集分析

実証期間中の寄港29回を対象に、タクシーの待ち時間、行先、人流ピーク帯、車両形態別の収益性などを詳細に計測・分析しました 。

3. 実証実験の結果として得られたこと

■ 実績データ(定量成果)

693 回
総運行回数(1日平均 22.4回)
2,289 人
総利用者数(1日平均 73.8人)
16 名
日本版ライドシェアドライバー数
109 台
GPS端末搭載車両数

■ 得られた定性成果と知見

    「待ち時間」の可視化と混雑緩和:
    GPS動態把握システムにより、乗り場で「あと何分で何台戻るか」を乗客へ正確に案内できるようになり、行列発生時の不安解消とスムーズな配車誘導が実現しました。 英語対応による満足度向上:
    ガイド化研修を受けたライドシェアドライバーや英語対応ドライバーの配置により、外国人利用者から「案内が親切で非常に助かった」といった高い評価を得ました 。 人流パターンの把握:
    徒歩圏内にある「エスパルスドリームプラザ」方向への歩行者が全体の72.8%を占め、下船ピーク(9:00〜11:00)に集中することが判明。安全対策や案内員の最適配置の基準が明確になりました 。 タクシー事業者の収益性改善:
    1日あたり数十万円〜100万円超の貸切観光タクシー需要が発生し、地域タクシー産業の一時的な収益向上と空車回送の削減に寄与しました 。

4. 今後の課題と事業展開

【顕在化した課題】
家族連れやグループ客を中心に「多人数で乗れる大型車両」の要望が多く寄せられました 。今後はタクシー事業者への大型車増車の要請や、多人数乗車可能な自家用車を持つライドシェアドライバーの優先採用を進めます 。

【今後の展望】
次年度は、公共ライドシェアに対応した地域共通アプリの導入と共同配車化、需要予測アルゴリズムの開発を実施予定 。さらに将来的には隣接県(山梨県・神奈川県等)とも連携した広域配車アプリの構築を目指します 。

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