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国土交通省発刊雑誌「港湾」に投稿記事が掲載されました。

【メディア掲載】国土交通省発刊 雑誌『港湾』への記事掲載のお知らせ

国土交通省が発刊する雑誌『港湾』に、代表理事 清野の投稿記事が掲載されました。

清水港におけるクルーズ客船の二次交通課題に対し、デジタルDXと日本版ライドシェアを活用して挑んだ実証実験の成果と今後の展望を取り上げています。

記事の全文は以下のリンクよりダウンロードしてご覧いただけます。

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**清水港におけるクルーズ客船二次交通のアップデート

日本版ライドシェアとデジタルDXによる共創プラットフォームの実証**

一般社団法人静岡TaaS 代表理事 清野 吉光

まえがき:清水港の躍進と「一時的な交通空白」

富士山を望む国際拠点港湾である清水港は、長年の誘致活動によりクルーズ船の寄港数が飛躍的に増加している。インバウンド観光が地域経済を潤す一方、大型客船着岸時に数千人の乗客が一時に下船することで、特定の時間帯にタクシー需要が集中し、埠頭での長時間の待機列発生や地域住民の足を圧迫する「一時的な交通空白」が顕在化していた。

特に清水港の乗客は富士山周辺や箱根・河口湖などへの長時間の貸切チャーターを希望する特性があり、既存の公共交通のみでは対応が困難であった。この非日常的な変動需要を制御するため、一般社団法人静岡TaaSは国土交通省の令和7年度「共創モデル実証運行事業」の採択を受け、既存のタクシーインフラのデジタル化と「日本版ライドシェア」を融合させた実証運行を展開した。

静岡TaaSトラベルによる「埠頭手配」の仕組みと成果

本事業の核心は、港を起点とした高付加価値な個別輸送と観光行程を一元的に組み立てる「運行管理の司令塔」を構築した点にある。

株式会社静岡TaaSトラベルが埠頭現場に「チャータータクシー受付専用デスク」を出店し、旅行業資格に基づく手配旅行の形態を採ることで、

  • 事前決済
  • 正確な運行指示書の作成
  • 多言語によるツアールートのアレンジ

をその場で完結させる体制を確立した。

実証期間中の総運行回数は 693回 に達し、計 2,289人 のインバウンド客に快適なサービスを提供した。

この仕組みに強力な輸送資源として組み込まれたのが、道路運送法第78条第3号を根拠とする「日本版ライドシェア(NRS)」である。地元タクシー事業者と連携し、既存車両の不足分を補う形で 16名のNRSドライバー が機動的に稼働した。

「語学人材」の参画による顧客満足度の向上

清水港の日本版ライドシェアの最大の特徴は、ドライバーの際立った語学力とおもてなし精神にある。

イベント対応型という柔軟な勤務スタイルとの親和性の高さから、応募してきたドライバーの多くが、

  • 海外就業経験者
  • 留学経験者
  • 本業を別に持つ国際色豊かな人材

であった。

彼らは高いコミュニケーション能力を発揮し、

  • 車内での翻訳アプリ活用
  • 観光地への同行アテンド
  • 地元の生の声を伝えるガイド

などを通じて外国人観光客に深い体験価値を提供した。

下船後に不安を抱えるインバウンド客にとって、彼らの存在は移動のストレスを解消するのみならず、日本への好印象に直結し、帰着時に乗客がドライバーと固く握手を交わす光景が日常的に見られた。

デジタルDXによる運行管理と安全性・利便性の担保

変動性の高いクルーズ需要を制御するため、本事業では株式会社システムオリジン等と連携し、タクシー会社の枠を超えて 計109台 の車両にGPSデジタルタブレット端末を搭載する動態一元管理システムを構築した。

これにより、

  • 位置情報から「あと何分で車両が帰着するか」を算出
  • 乗客へ可視化し、現場のストレスを劇的に軽減

することが可能となった。

従来のタクシー無線では電波が届かなかった箱根や河口湖など静岡県外への長距離チャーターに対しても、パケット通信網を用いたGPS追跡により、 「出港時刻までの確実な帰着管理」 をサテライト配車センターから一括して行うことができた。

さらに、株式会社Otonoの技術を用いた GPS位置情報連動型英語音声観光ガイド を実装し、乗客の体験価値をさらに高めることに成功した。

結び:持続可能なクルーズ成長と2030年への展望

清水港での実証運行を通じて得られたデータは、地方港湾の二次交通課題の本質が「輸送力の絶対的不足」ではなく、 「需要特性に対する交通手段の設計および運用の不整合」 にあることを示している。

今後は、この実証データを

  • 需要予測アルゴリズムの開発
  • 地域共同配車ネットワークの構築

へと繋げていく。

本事業を通じて構築された「地域の移動OS」は、向こう10年で確実に押し寄せる自動運転時代において、地域の公共インフラとしての運行管理権を外部資本に頼らず地元の手で守るための極めて重要なデータ基盤となる。

清水港を日本一魅力ある寄港地にするための挑戦は、この「共創」が拓いた新たな地平から、今まさにスタートラインに立ったばかりである。


こちらからダウンロードをお願いします。

https://www.shizuoka-taas.com/wp-content/uploads/2026/08/605cf9901b9c61b49a20218c188a27b5.pdf

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